بيت / 恋愛 / 黒瀬部長は部下を溺愛したい / CASE:10 まだまだ足りない

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CASE:10 まだまだ足りない

مؤلف: 桐生桜
last update تاريخ النشر: 2026-06-13 06:37:40

 ある日の昼休み直前。

 エレベーターに向かった莉央は、角を曲がった先で慧とばったり会う。

「……あっ」

「……よかった。会えた」

 慧は穏やかに微笑み、エレベーターホールの壁際へ莉央を促す。

 ランチタイム直前、廊下は混み合い始めていて、ふたりの距離は自然と近くなる。

「あの、誰かに見られたら……」

「大丈夫。すぐ混むし、こっちの死角、気づかれにくいから」

 そう言って、慧は莉央の手を……そっと、でもしっかりと、握った。

「……っ、ここで……?」

「ん、ダメ?」

 声は低く甘く、耳元に落ちるささやき。

 莉央の手を握ったまま、慧の親指がそっと手の甲をなぞる。

 さらに指を絡めてきて、その指先同士をゆっくり撫でてくる。

(触り方……ずるい)

 手を繋ぐより、ずっと恥ずかしい。

 なのに、逃げられない。

「莉央……かわいい顔してる」

「えっ、見てたんですか……?」

「うん、反応見て楽しんでる」

 くすっと笑う慧は、完全にいつもの余裕のある態度。

 一方、莉央は赤くなるばかりで、冷静でいられない。

「……ちょ、ずるい、です……」

「俺ね。莉央とこうしてるだけで、めちゃくちゃ癒されるんだよ
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     ある日の昼休み直前。 エレベーターに向かった莉央は、角を曲がった先で慧とばったり会う。「……あっ」「……よかった。会えた」 慧は穏やかに微笑み、エレベーターホールの壁際へ莉央を促す。 ランチタイム直前、廊下は混み合い始めていて、ふたりの距離は自然と近くなる。「あの、誰かに見られたら……」「大丈夫。すぐ混むし、こっちの死角、気づかれにくいから」 そう言って、慧は莉央の手を……そっと、でもしっかりと、握った。「……っ、ここで……?」「ん、ダメ?」 声は低く甘く、耳元に落ちるささやき。 莉央の手を握ったまま、慧の親指がそっと手の甲をなぞる。 さらに指を絡めてきて、その指先同士をゆっくり撫でてくる。(触り方……ずるい) 手を繋ぐより、ずっと恥ずかしい。 なのに、逃げられない。「莉央……かわいい顔してる」「えっ、見てたんですか……?」「うん、反応見て楽しんでる」 くすっと笑う慧は、完全にいつもの余裕のある態度。 一方、莉央は赤くなるばかりで、冷静でいられない。「……ちょ、ずるい、です……」「俺ね。莉央とこうしてるだけで、めちゃくちゃ癒されるんだよ。こっちの方がずるいでしょ?」「……っ!」 エレベーターが開く直前、慧は絡めた指をほどいて、莉央の手の甲にそっとキスを落とした。「じゃ、いってらっしゃい。午後もがんばって」 誰にも気づかれない、ふたりだけの時間。 でも、指先がまだ熱くて、胸の奥がくすぐったい。 莉央は小さくうなずきながら、心の中で呟いた。(午後どころか……今日ずっと頑張れる気がする……)◆ 珍しく莉央が風邪をひいた。「すみません……せっかくのお休みなのに……」 ベッドの上でかすれた声を出す莉央に慧は静かに首を振る。「何言ってんだ。俺が甘やかすチャンスだろ」 そう言いながら、おでこに冷えピタを貼って、優しく髪を撫でる。「はい、水。あと、プリン。好きだろ?」「う……食べたい……」「なら、じっとしてろ」 スプーンで小さくすくって、莉央の口元に差し出す。 されるがままに口を開くと、すぐにふわっと甘さが広がる。「ん……おいしい……」「そうか。食べられそうで良かった。しんどくないか?」「はい……慧さんがいてくれるから……安心します」「ならもっと甘えてくれていいぞ」 そっと莉央の手を握っ

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